『トルコ紙が国内にタリバン存在を暴露』
トルコのワタンという新聞が、非常に重要なニュースを報じている。そのニュースの内容は、以前から事情通の間では知られていたことなのだが、マスコミが暴露することはなかった。つまり、何らかの力が及んでいたために、報道しにくかったのかもしれない。
ワタン紙によれば、現在トルコ国内には、1万人のタリバンが入国しているということだ。このタリバンがどうやら、シリアの反政府側で戦闘に参加しているようだ。これまで、トルコは自国軍を持ってシリア体制に対し、攻撃をしていなかったが、タリバンという傭兵を使って、アサド体制打倒の戦闘に、加担していたということのようだ。
タリバンの義勇兵はトルコのハタイ県にある、イスケンデルンからシリア領内に侵入し戦闘しては、イスケンデルンに戻っているというのだ。つまりトルコのイスケンデルンが、タリバンの義勇兵の拠点になっているということだ。
不思議なことに、彼らタリバン義勇兵はトルコ国籍を有しており、身分証明書さえ所有しているということだ。こうなると、シリア政府軍がトルコ領土内のイスケンデルンに対し、空爆を加えたとしてもトルコ側はそ、れを違法とすることはできなくなるだろう。
どうしてトルコがタリバンに拠点を与え、自国領土内からシリアを攻撃することを、許可したのだろうか。そこにはアメリカの意向が、十分に働いているようだ。以前からアメリカは状況によって、タリバンやアルカーイダの戦闘員を使ってきている。例えばリビア革命では、アルカーイダの幹部がリビアに帰国し、戦闘を指揮していた。
問題はこのタリバンが参加する反政府運動が、シリアのアサド政権打倒に成功した場合、タリバンはすんなりシリアやトルコに留まらずに、アフガニスタンに帰国するのだろうかということだ。
1万人のタリバン義勇兵が、トルコやシリア領土内に留まった場合、タリバンは相当の影響力と破壊力を、維持することになろう。そうだとすれば、アサド後の新生シリア政府は、タリバン対応で苦慮することになろう。シリアのイスラム原理主義者がタリバンと呼応し、一大勢力となることも考えられる。
それはトルコの場合も同様で、これまで地下に潜っていたイスラム原理主義者たちが、反政府活動を活発化させることもありえよう。
それではなぜトルコは危険なタリバンを、自国内に招き入れたのかということになるが、トルコ政府はシリアとトルコのクルド対策に、使おうと考えているのではないか。今年の早い時期には、タリバンの留学生150人ほどが、トルコのイズミ-ル大学にいるという情報もあった、トルコはそこまでタリバンとの関係を進めているということであろうか。