『シリア問題をめぐるドーハ会議の結論ポイント』

2012年12月15日

 

湾岸の国カタールの首都ドーハ市で、長期間に渡ってシリア問題の解決策が、検討されてきた。この会議は反アサド組織を一つにまとめ、アサド体制を打倒することに、主たる目的があるものだった。

そのドーハ会議から出てきた、シリア問題の解決案なるものが、どう考えてもアサド体制側にとって、受け入れられるものでないことが分かる。

つまり、アサド体制側は反体制側の要求を呑め、そしてアサド体制の時代を終わらせろ、ということであろう。

この会議から出てきた、シリア問題を解決する案なるもの、一部をご紹介しよう。

:シリアは軍の規模を5万人にまで削減する。

:ゴラン高原は名目的なシリア領とし、実効支配は考えず、イスラエルと和平を結ぶ。

:シリアのWMDやミサイルは、ヨルダンに持ち出し解体される。

:シリア軍はトルコマンが居住する区域から撤退する。

PKKメンバーはトルコ側に引き渡され、同組織はテロ組織と断定する。

:カタール・ガスは、シリア領土内を通過するパイプラインを通じて、トルコから欧州に輸出される。

:アタチュルク・ダムの水資源は、シリアを通過するパイプラインを通じて、イスラエル側に供給される。

:カタールとアラブ首長国連邦は、内戦後のシリア再建を支援する。

:シリアはロシア、イラン、中国との関係を終わらせる。

:シリアはヘズブラおよび、パレスチナ抵抗組織との、関係を終わらせる。

:シリアの新体制はイスラム主義であるが、サラフィであってはいけない。

 この内容はシリアの現体制が、飲めるわけの無い内容になっているが、多分にポスト・アサドを考えて、作成された内容と思われる。

内容を見てみると、関係諸国の利益が最優先されており、シリアの現政権はもとより、シリアの次期政権や国民にとっても、必ずしも歓迎できるものではなさそうだ。