ガザ戦争停戦の成功で、心が緩んだのであろうか。あるいは自信を持ち過ぎたのであろうか。エジプトではモルシー大統領の決定に、反発する大衆運動が、盛り上がり始めている。
前項でもご報告したように、世俗派の人士はモルシー大統領が、国民の大統領ではなく、ムスリム同胞団の大統領になった、現代のファラオになった、と非難している。大統領の決定を覆すことは誰にもできない、と言われれば当然のことであろう。
エジプトの反モルシー派は『革命は自由のために起こされ、多くの人が死傷している。現状ではムバーラク時代への逆行だ。』と叫び始め、ムスリム同胞団体制の打倒を、声高に叫び始めている。
キリスト教徒の多いアレキサンドリア、ポートサイド市だけではなく、ムスリム同胞団発祥の地であるイスマイリヤ市でも、ムスリム同胞団の事務所が、放火されている。
今回の反政府の動きが継続し、体制打倒を再度繰り返すのか否かについては、判断は尚早であろう。しかし、こうした大衆行動に対する対応に、ムスリム同胞団は経験が無い。しかも、警察や軍隊も給与が半分しか出ていない。
著名人が参加していることや、若者がやっと腰を挙げたことを考えると、危険な状況になるかもしれない。もう少し注意して様子を見たい。