数日前に、サウジアラビア東部の村の結婚式で、電線が切れて火事となり、部屋に閉じ込められていた人たちや、周りにいた人たちが死亡する、という事故が起こった。
火事の発端はアラブでよくある、祝砲が高圧電線を撃ち切り、電線が火事を起こす原因となったようだ。女性や子供が部屋のなかで結婚を祝っていたが、電気と炎で部屋から出られず、焼死したというのだ。
同じような不注意によるミスが原因で、今週の木曜日に首都リヤド市で、大事故が起こっている。これはガス・タンク・ローリー車が、引き起こしたものだった。
ガス・タンク・ローリー車がガスを漏らし、それに引火して大爆発を起こした、というものだった。結果的に22人が死亡し、131人が重軽傷を負った。なかには相当重度の怪我をしている人も、いるということなので、今後死者の数が、増える可能性があろう。
現場写真がサウジアラビアのリヤドに住む、友人から送られてきたが、ひどいものだ。タンク・ローリー車は述べるまでもなく全焼だが、それ以外にも近くにあった乗用車が幾つも黒こげになっていた。まるでイラクやシリアで起こっている、爆弾テロの現場のような写真だった。
政府は敏速に対応し、負傷者が近くの病院に運ばれ、手当てを受けているが、この事故は今後のサウジアラビア国内情勢に、何らかの悪影響を、与えるのではないかと思われる。
結婚式の火災事故も、今回のタンク・ローリー車の事故も、政府には何の落ち度も責任もないのだが、大衆はもって行き場のない怒りを、政府非難に結び付けることが、懸念されるからだ。
現在、サウジアラビアでは民主化要求デモや、女性の自由化を求めるデモが起こっているし、東部のシーア派地区では、もうだいぶ長い間、反政府デモが続いている。こうした社会不満を爆発させるには、今回の連続事故は、あるいは好材料になるかもしれない。