北京発のニュースで、アレッと思うニュースがあった。それは中国領土になっている、新彊ウイグル地区のムスリムが、シリアでアルカーイダと共に、反政府側に立ち、政府軍と戦闘を展開しているということだ。
この戦闘に参加している新疆ウイグル地区のムスリムは、東トルキスタン・イスラム運動や、トルキスタン教育連帯協会のメンバーで、二つの組織はトルコ国内に拠点を、持っているということのようだ。
東トルキスタン・イスラム運動は、日本でも一部の人たちの間で知られており、細々ではあるが支援も、受けているようだ。彼らは日本では、小規模な宣伝活動をしているに過ぎないが、トルコではもう少し支援が、寄せられているのであろう。
トルコ人にとっては新疆ウイグルのムスリムは、同じトルコ系民族という認識があり、トルコ国民にとってウイグル問題は、放置できないトルコ民族の問題の、一つになっている。
今年トルコのエルドアン首相が訪中した折には、北京に入る前に、新彊に立ち寄っているほどだ。もちろん、このエルドアン首相の行動は、中国政府にとっては、あまり気分のいいものではなかったろう。
このニュースで気にかかるのは、新彊ウイグルの出身者たちの組織である、東トルキスタン・イスラム運動や、トルキスタン教育連帯協会のメンバーが、アルカーイダと共に、戦闘に参加しているという点だ。
もし、このニュースが事実であるとすれば、今後、ウイグルの運動が平和的なデモではなく、武力闘争に変革していく、ということではないのか、ということが懸念される。
そうなれば、中国政府はいままでにも増して、新疆ウイグル地区のムスリムに対し、強硬な対応を採っていくことになろう。
誰が新疆ウイグルのムスリムを、シリアの戦場に引き込んだのかについて、考える必要がある、ということではないか。