ここ数日間、アラブのニュースでこれはというものが、少ないような気がする。そんな中で、リビアから3つのニュースが流れて来た。それが今後のリビアにどう影響していくのか、いまの段階では判断しかねる。
第一は、カダフィ大佐の二男で後継者と目されていた、サイフルイスラーム氏に関するものだ。イスラエルのグループが彼に対して、イスラエルの服を送ったというのだ。
オルリー・ワイズマンなる女性は、サイフルイスラーム氏についてやさしい静かな人物だと評価し、彼との交遊関係についても述べている。サイフルイスラーム氏は父親であるカダフィ大佐とも、何度となく政治路線をめぐり激しい口論をして、国民の擁護に勤めていたというのだ。
それは事実だ。サイフルイスラーム氏がカダフィ大佐に、政治の変更を求めそれが認められなかったとき、彼はすべての職から離れるとカダフィ大佐に告げ、カダフィ大佐が折れたという話もある。
オルリー・ワイズマン女史はイギリスのブレア元首相について、厳しい批判をしている。ブレア氏はカダフィ一家と家族ぐるみで、付き合っていたということのようだ。それが沈黙を守っているのは、人道に反するということであろう。しかし、イギリス政府はこのことについて、何ら反応を示していない。
次のニュースは、ニジェールに逃亡したカダフィ大佐の子息、サアーデイ氏に関するものだ。彼をニジェール政府は釈放し、何処でも好きな国に行けるようにしたという情報が流れたが、ニジェール政府はそれを否定した。
つまり、ニジェール政府はサアーデイ氏を安全な状態で、今後も当分の間保護するということであろう。
第三のニュースは、リビアの東部のベンガジ市の近くで、イスラム学者の廟がイスラム原理主義者によって、壊されそうになり、現地住民との間で戦闘が起こり、3人が死亡するという内容のニュースだ。これはリビアで現在、イスラム原理主義者の動きが、活発化してきていることを現すものであろう。
第一のニュースは、カダフィ大佐がユダヤの血を引く、ということが根底にあるのではないか。彼の盟友だったアブドッサラ―ム・ジャッルード氏が、最近そのことを口にしている。
第二のニュースは、カダフィ財宝のありかが、いまだに解明されていないということではないか。リビア人はもとより、周辺諸国のマリやニジェールではそのことに関する関心が異常に高いのだ。
第三のニュースは、廟がカダフィ財宝の隠匿場所だ、と思われたのではないか。『死せるカダフィ、財宝で人を走らす。』の類だろうか。