『イランで非同盟諸国首脳会議開催』

2012年8月26日

 イランの首都テヘラン市において、8月26日の今日から31日まで、非同盟諸国首脳会議が開催される。この会議は今回が第16回であり、国連加盟国ののうち、約3分の2がメンバー国になっている。

会議では世界平和と、そのためのメンバー諸国間の協力、ということが主題のようだ。メンバー国120カ国から、145人が参加予定となっており、これに加えて、17のオブザーバー諸国が、参加する予定だ。

今回の会議のハイライトは、国連事務総長の播氏が参加するのか、ということであった。加えてエジプトの新大統領に就任した、モルシー氏が参加するか否かが、話題に上っていた。

アメリカ政府は播氏の参加や、モルシー大統領の参加について、難色を示していたが、結果的に両者の参加が、明らかとなっている。

播国連事務総長の参加については、アメリカは彼が参加することにより、イランの非同盟諸国首脳会議が、国際的に成功であるとみなされるとして、難色を示していたもののようだ。

エジプトのモルシー大統領の参加については、エジプトとイランの外交関係が、1979年以来断交状態にあったものが、今回の同大統領の参加で、関係改善が進むのではないか、という懸念があったからだ。述べるまでも無く、イランはアメリカが重視している、イスラエルを敵視している国だからだ。

もう一つ、今回のイランで開催される非同盟諸国首脳会議をめぐって、パレスチナ代表の参加が問題視された。それは、イラン政府がパレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長と、ガザのハマース代表ハニヤ氏と、二人に対して招待状を送ったからだ。

パレスチナ自治政府はこれを、パレスチナを二つに分割するものであり、ガザ地区を一つの独立した国家と認める行為だとして、激しく反発していた。しかし、その反発はイラン側からは、受け入れられなかったようだ。

もし、パレスチナ自治政府があくまでも、自治政府からだけの会議参加にこだわれば、結果的にパレスチナ自治政府は、パレスチナ解放組織結成史上、初めてこの種の国際会議に代表を、送らないことになるのではないか。

そのことは、マハムード・アッバース議長の政治キャリアに、大きな汚点を残すことになろう。イスラエルではリーベルマン外相が、マハムード・アッバース議長に対し、徹底的に非難をしている時期でもあり、今後のパレスチナ問題に影響を生む可能性があろう。(後にイラン政府はハニヤ氏への招待発送を、否定している。)