ヨルダンのアブドッラー2世国王が意外な意見を述べている。彼の意見によればシリアのバッシャール・アサド大統領が、戦況の推移如何では、シリアのなかに新たな国家を創り、そこに移り住むのではないかということだ。
その候補地はシリアのマイノリテイであり、バッシャール・アサド大統領統領の出身母体である、アラウイ派イスラム教徒が多く住む地域、ということになりそうだ。
それは地中海に面したラタキアであり、その周辺地域ということになる。この地域には山脈が走っているが、それはレバノンと同じように、水資源があるということであろう。地中海から吹き付ける湿った空気が、山脈にあたり雨に変わるからだ。
もし、このアサド王国が建設されるのであれば、ロシアが軍港として使っているタルトースも含まれる、可能性があろう。そうなれば最悪の選択肢として、ロシアはアサド体制の追い出しを、受け入れるかもしれない。
もちろん、アサド王国が完成し、そのなかにタルトース港が含まれるのであれば、ロシアは何ら困らない形になろう。
かつて、シリアやレバノンを統治していたフランスは、1930年代にシリア領土内に、アラウイ派の居住区を、設立することを計画していたようだ。それが80年後のいま、現実化するかもしれないということだ。
このアサド王国が実現するか否かはまだ判断できないが、基本的には、西側諸国、なかでもアメリカがアラブ諸国を細分化し、抑え込もうと考えていることに合致しよう。