『サウジアラビアのアルカテイーフで兵士が死亡』

2012年8月 5日

 

 サウジアラビアの東部地区の、主要都市であるアルカテイーフ市で、金曜日の夜の11時に、サウジアラビア軍兵士が、オートバイに乗った4人のテロリストによって、攻撃を受けた。

 その結果、フセイン・バワーフ・ザッバーニ兵士が死亡し、他にもサアード・ミテイブ兵士、ムハンマド、シャマーリ兵士の2兵士が負傷し、病院に搬送された。

 この出来事は、これまでのアルカテイーフ市で起こっていた、反政府運動を大きく方向転換させる、ものになるのではないかと懸念される。これまで長い間、アルカテイーフ市では反政府運動が展開され、再三に渡ってデモが行われ、多数の逮捕者と負傷者が出ていた。

 最近では、受刑者によってハンストが行われたり、宗教指導者が逮捕投獄される、ということが起こっており、アルカテイーフ市住民や、サウジアラビア東部のシーア派住民の間で、サウジアラビア政府に対する、反発が増していた。

 今回サウジアラビア軍の兵士が、オートバイに乗った4人の若者に攻撃されたことは、これまでの反政府運動のなかでは、なかったものであり、新しい展開の始まりであろう。

 この戦闘の中で、テロリスト側は1人が死亡し、残りの3人は逮捕されている。この3人が、これから取り調べを受けるなかで何を語るかが、大きな関心を呼ぼう。彼らが何処から武器を入手したのか、アルカテイーフ市やその他のシーア派地区に、どの程度の武器が隠匿されているのかということが、ある程度明らかになるのではないか。

 サウジアラビア政府は既に、国名は明らかにしないものの、外国の関与を語り始めている。多分にそれはイランということに、されるのではないか。

 このテロ事件を伝える記事と共に、BBCはサウジアラビアのシーア派地区を示す地図を掲載した。それによれば、サウジアラビアのほぼ5分の3が、シーア派地区となっている。

 その地図を記事に付けて、掲載した意味は何処にあるのか。しかも、その面積はいままで話題になっていた、狭いものではなく広大なものであり、ほぼ完全にサウジアラビアの油田地帯を、包含するものになっているのだ。

 この地図が添付されたことは、今後、サウジアラビアの国内情勢が、決して安定したものではなくなっていく、という前触れではないのか。反政府派のシーア派教徒が、武器を手にすることを決めさえすれば、武器は幾らでも彼らの手に渡って来よう。