『イスラエルで焼身自殺続発の理由』

2012年7月23日

 イスラエルで最近焼身自殺が増えている。最初に焼身自殺を試みたのは、モシェ・スリマンという人物だった。彼の場合焼身自殺を試みた後、一命を取り留めるのだが、後に死亡している。

彼には多額の借金があり、それを苦にして自殺したが、政府の政策を非難する内容のノートを残している。

今回の焼身自殺者も、似たような環境にあったと思われる。彼は退役軍人であり、車いすに乗って生活していたということだ。

何とか周辺にいた人たちが消火を試みたが、彼の皮膚はこの焼身自殺で、80パーセントを失っており、危険な状況にあるようだ。

モシェ・スリマン氏の葬儀が日曜日に行われたが、この葬儀には1000人以上もの人が、参列したということだ。つまり、モシェ・スリマン氏の自殺に同情し、かつ自分も同じ立場にあると思った人たちが、多数いたということであろう。

イスラエルでは家賃が高騰しているため、住宅よこせの座り込みストが、何万人もの参加で、テルアビブ市で長期間行われている。また生活必需品の高騰も、庶民の生活を窮地に追い込んでいるようだ。

焼身自殺が連続して起こるのは、ある種の社会現象であろう。その理由は物価高や家賃の、高騰だけではあるまい。精神的拠り所を失った結果でもあろう。ユダヤの神は何処へ行っってしまったのであろうか。