『シリア・これが事実なら酷すぎる』

2012年7月 1日

 ある友人と会い、最近のシリア情勢について、意見交換をした。彼はアメリカの内部について、信じられないほどの情報を持っている人物だ。それだけアメリカ上層部に、人脈を持っているということであろう。

 これまでこの欄で、幾つかの自分なりの分析と推測、予測を書いてきた。例えば、シリアがいま内乱状態になっているのは、実は湾岸諸国やイラン、イラクの石油ガスを、シリア経由で地中海に送ることが、目的だろうと書いた。

 今日意見交換した友人は、私がそれを言い出す前に『実はシリア戦争の目的は、湾岸諸国やイラン、イラクの石油ガスを、地中海経由で欧米諸国に、送り出すためのものだ、、、。』と話してくれた。

 シリアが内戦状態になったのは、アメリカがイラク戦争、アフガン戦争で、莫大な資金を費やし、兵員を犠牲にしたために『アラブ人同士に殺し合いをさせて、目的を達成する新しい形の戦争を始めたのだ。』とこの欄でも書いた気がするし、私が昨年出版した『革命と独裁のアラブ』のなかでも説明している。

 今回はシリア問題解決に、トルコを使おうということであろう。もし、その計画にトルコが乗ってこなくても、欧米はシリアの内戦を長期化させ、シリア人の多くを、犠牲にするつもりなのではないか。

 シリア人は極めて賢明な人種であり、軽々に内戦など始めない人たちだ。そのシリア国民が、今回内戦を始めたのは、外部からの強い働きかけがあったからに違いない、と思えてならない。

 現段階ではサウジアラビアやカタールが、資金と武器を提供しているといわれているし、アメリカやイスラエルが武器を、反政府のFSA(自由シリア軍)に送っているといわれている。

一説によれば、イギリスが特殊部隊をすでに、シリア内部に送り込み、戦闘に参加しているとも言われている。何処まで信憑性があるかは知らないが、シリア政府は多くの外人傭兵を、逮捕しているという情報もある。

少なくとも、複数の外国が、今回の内戦に直接間接的に、関与してきているのは事実ではないのか。問題はその次だ。友人は『西側とシリアのアサド政権の間には、2年間の秘密の約束が出来ている。』というのだ。

もしそれが事実であるとすれば、国連の仲介によるシリア問題の解決は、ヤラセであり、問題を解決するものではない、ということになる。そして、シリアの反政府派のFSAには、今後どんどん武器と資金が供与され、戦闘が激化し、膨大な数の犠牲者がシリア国民の間に出るということだ。この情報が嘘であることを祈るばかりだ。