『ムスリム同胞団とアメリカの密約トルコは?』

2012年6月23日

 

 623日の土曜日の夕方、エジオプとの友人から電話が入った。彼はエジプトを訪問したとき、必ず決まって細かい分析と情報を語ってくれる、数少ないエジプト人にしては珍しい、冷静な考え方をする友人の一人だ。

 彼は今回のムスリム同胞団の異常に早い、ムハンマド・モルシー氏の当選発表の裏を説明してくれた。彼の説明によれば、真相は以下の通りだ。

 『ムスリム同胞団の大統領候補者、ムハンマド・モルシー氏当選発表は、まだ票の半分も計算されていない段階の、異常に早いものだった。それが何故真夜中に出されたのか、それはアメリカ時間を配慮したものだった。

 アメリカで先に情報が流されれば、信憑性を持って世界中に流され、世界が同じ考えを持つようになる。そうなると訂正は極めて難しくなる。実際にその後、エジプトのムスリム同胞団と同じ様に、ムハンマド・モルシー氏が当選したと信じ込む、エジプト人が増えており、しかもその考えが固定した。

 事実は、アハマド・シャフィークの方がフェアであり、彼の方が得票数は多かった。しかし、いまとなっては、それを覆すことは極めて難しく、選挙管理委員会がアハマド・シャフィーク氏の当選を発表すれば、エジプト国内は混乱するだろう。

 今回のエジプトの大統領選挙で、アメリカとトルコが深く介入している。アメリカは軍最高評議会に対し、何度もムスリム同胞団のムハンマド・モルシー氏を、当選させるように圧力をかけてきた。

 それは、ムハンマド・モルシー氏を当選させ、大統領にしてガザのハマースに対し、イスラエルと取引するように、仕向けるためなのだ。ガザのハマースはエジプトのムスリム同胞団の、指導下にあることは知っているだろう。

 どういうわけか、トルコのエルドアン首相、もエジプトの大統領選挙当選者は、ムハンマド・モルシー氏だと強調し、出来るだけ早く彼の当選を、認めるべきだと主張している。そのことは、エジプトのインテリの間で、エルドアン首相びいきだった人たちを、幻滅させている。

 近い将来、エジプトはトルコ製品ボイコットを、始める危険性が高まっている。そうなれば、他のアラブの国でも、似たような動きが始まるだろう。貴方はトルコに友人が多いから、そのことをトルコの友人たちに伝えて欲しい。

 私はエジプトとトルコとの緊密な関係を望んでいる。だからそのことを、トルコ側に伝えて欲しいのだ。』

 この友人の分析は、単なる個人的な想像の産物ではない。彼はビジネス界の主要なメンバーや、政府の高官に多くの友人を、持っている人物なのだ。その友人たちから得た情報を分析して、彼は私に伝えてきているのだ。