『仙台のインターナショナル・スクール開校式に参加して』

2012年5月20日

 仙台で5月19日に、トルコ人が運営するインターナショナル・スクールの開校式が行われた。在日トルコ大使はもちろんのこと、トルコからわざわざこの式典参加だけを目的に、3人の国会議員と多数のビジネスマンが、来日し参加した。(金曜日到着日曜日帰国の3日間の日本訪問)

 日本側からは宮城県選出の、国会議員や県会議員が参加した。それに加えて、小泉元首相にトルコ訪問を勧めた、飯島元秘書官も参加した。彼とは旧知の仲だったので、当時の話をして大笑いした。

 昼食にはトルコ料理が供されたが、トルコでも有名なシェフがボランテアで、わざわざこのために来日してくれた。70歳を超えているにもかかわらず、彼はシェフ用の衣服と、多分調理のための包丁などであろうか、といったものを入れた小ぶりのスーツ・ケース一つで来ていた。

 仙台のインターナショナル・スクールは、トルコの中小企業のオーナーたちの寄付で創設し、在日のトルコ人の若者たちが中心になって経営されているのだが、教員の親切さにが脱帽させられる。保育園から幼稚園レベルの日本人の子供たちが、英語とトルコ語と日本語で歌を披露したが、アメリカ人の先生の指導もあってか、発音はネイテイブと全く変わらないものだった。

 このインターナショナル・スクールは『多言語を話し、国際的に活躍できる人材の育成を、目指している。』ということだ。ちなみに校長のバルシさんは東大でコンピューター・サイエンスを学び、ドクターを取った人物だ。

 彼に以前『何故コンピューター関係の仕事に就かないのか、そのほうが給料もいいだろうに?』と尋ねると、彼は『人を喜ばせたい、人に親切にしたいのです。』と答えられ恥じ入った記憶がある。

 トルコの中小企業経営者たちが資金を出し、若い有能な人材がそれで学校経営に当たる。彼らには明確な人生の目的があるのだろう。彼らの活動は世界中に、高校や大学を設立しているのだ。

トルコではその外国に設置された高校で学んだ、優秀な外国人学生に奨学金を与えて、トルコの大学で学ぶ機会を与えている。マリから来た学生にそのことを聞いた。

 それに比べ、世界的に知られるトヨタやソニーなどといった日本企業は、外国に一校でも大学を建てて独自に運営したり、寄付したことがあるのだろうかと考えてみた。またその大学の運営にボランテアで参加する、日本人はどれだけいるのだろうか。日本人は『人に与える喜び』『人を支える喜び』を、ほとんど忘れてしまったようだ。