昨日からまたエジプトのカイロ市中心にある、解放広場(メイダーン・タハリール)で大集会が始まった。この集会には世俗イスラム両派が参加し、反軍統治で一致しているようだ。参加者のなかには大統領選挙だけではなく、賃上げ要求の人たちも含まれている、広範なものになっている。
この新しい動きが今後、本格的な第二革命に繋がるのか、一時的なものなのかについては、まだ判断を下すのは時期尚早であろう。今後の展開は、集会者の数が増えていくのか、集会が継続していくのかを見る必要がある。
今回は何故こうした事態が起こっているのか、今後どう事態が推移していくのかを考える上で必要な、自分用にこれまでの経緯を整理していたものを掲載することにした。
『エジプトの権力闘争』
:ガマール大統領後継希望
:ムバーラクがタンターウイに副大統領就任依頼―辞退
:オマル・スレイマーンが副大統領就任
:ガマールがオマル・スレイマ-ン暗殺失敗
:革命勃発―青年世俗派
:革命達成直前―ムスリム同胞団の台頭
:アメリカの圧力―サーミー・アナーンの訪米
:オマル・スレイマ-ンがムバーラク辞任発表
:ムスリム同胞団と軍の蜜月時代
:ムスリム同胞団の大躍進―国会議員、国会議長、憲法改正委員会、
:ムスリム同胞団は大統領選挙には出さない方針宣言
:アブドルモナイム・アブルフットーフの立候補―ムスリム同胞団はメンバーだが支持しない
:アイマン・ヌール立候補(ガド党世俗派)
:ハーゼム・アブイスマイルがサラフィから立候補
:ムスリム同胞団からハイラト・シャーテル立候補
:アムル・ムーサ立候補(アラブ連盟事務総長)
:アハマド・シャフィーク立候補(ムバラク政権最後の首相)
:オマル・スレイマ-ン立候補
:ムスリム同胞団に焦り―ハイラト・シャーテルが資格失うことを恐れムハンマド・モルシー擁立(ムスリム同胞団から合計3人立候補)
:選挙管理委員会立候補者の審査
*ファルーク・スルタン審査委員長(軍事裁判所裁判官軍将校上がり)
―ハーゼム・アブイスマイルは母ナワールの米国籍で失格
―ハイラト・シャーテルは受刑から6年経過していないために失格
―オマル・スレイマ-ンは県の支持署名足りず失格
―アイマン・ヌールは受刑から6年経過していないため失格
*失格候補は抗議試みたが誰も受け付けられず
:残った候補者
―アムル・ムーサ(元外相アラブ連盟事務総長=旧体制派)
―ムハンマド・モルシー(ムスリム同胞団の自由公正党党首)
―アブドルモナイム・アブルフットーフ(ムスリム同胞団を離脱し立候補)
 ̄アハマド・シャフィーク(ムバーラク体制最後の首相=旧体制派)
*強いのはアムル・ムーサとアブドルモナイム・アブルフットーフ
『危機』
:選挙管理委員会の資格発表後
:5月23,24日選挙当日
:選挙結果発表後
:6月2日ムバーラク裁判の最終結審(無罪の可能性あるいは軽微)
:6月23,24日の決選投票日とその後
*重要ポイント
:エジプトの大統領選挙はどうなるのか
:誰がエジプトをリードしているのか