「アラブ関連ニュース色々」

2012年3月27日

:イギリスがスコットランド王国銀行の株をアブダビに売りつけ

 イギリス政府はスコットランド王国銀行株を、アブダビに売却するための交渉を始めている。売値は買値の半額だと言われており、イギリス政府持ち株全体の3分の1程度のようだ。

 この取引で発生する損失は、イギリス国民が負うことになるのだが、どうやら今後もっと価値が下落する、見通しなのであろう。イギリス政府はこの株を2008年に45億英ポンドで購入し、スコットランド王国銀行の倒産を救ったと言われている。

 

:サルコジ大統領イスラム原理主義者の入国を締め付け

 フランスのサルコジ大統領は、トールーズのユダヤ人学校襲撃事件を受けてであろうか、イスラム原理主義者の入国に対し、厳しい制限を果たしたようだ。 

彼はカタールのドーハ市に居住している、世界的に有名なイスラム学者会議の会長であるカルダーウイ師の入国を拒否している。

 

:ノルウエーではイスラム過激派のイスラムの導師が、5年の刑に服すことになった、というニュースが流れてきた。

 

:アラブ首長国連邦の構成国の一つであるシャルジャ首長国は、ムスリム同胞団に対し、警告を発している。

 

こうした一連の対応は、イスラム原理主義組織の政治面での、台頭が目立ってきたことと、イスラム原理主義者によるテロが、強く懸念されるようになってきたからであろう。

 

:このようなヨーロッパ諸国の、イスラム原理主義組織に対する対応を、意識したのであろうか、チュニジアの与党になったナハダ党は、シャリーア(イスラム法)という言葉を前面に出すことを、控えることを決定している。しかし、それに対しては、より強硬なイスラム原理主義組織、サラフィ・グループが反発している。

 

:トルコのイスラム色の強いAKP(開発公正党)のまねをする、アラブのイスラム団体が増加してきているなかで、トルコのギュル大統領は『むやみにイスラムの名を冠することは、結果的にイスラムを冒涜することになる。』と警告している。まさにその通りであろう。