「ムバーラク判決近付く・エジプトマスコミの意見」

2012年2月24日

 エジプトのムバーラク前大統領に対する判決が、6月2日に下されることになったが、判決が下る前に、エジプトの各マスコミが自説を述べている。そのことは、大衆の意向によるだろうし、大衆はマスコミの影響を、受けることになろう。

 したがって、ムバーラク前大統領に対する判決は、多分にマスコミや大衆の意向を、反映したものになり、罪を罰するというのではなく、憎しみを持って罰することになるのではないか。それは法の公正という立場から考えた場合、極めて問題のあることであろう。

 エジプトのマスコミは、それだけの重責を担っているのだが、現段階で、裁判の判決をどうしたいのであろうか。あるいはエジプト国民は、どのような判決を望んでいるのであろうか。

 

:アルアハラーム紙(政府所有)

―ハビーブ・アドリー前内相はハマースやヘズブラの関与を力説している。(発砲事件の多くは、彼らによるものだとする、ムバーラク前大統領やハビーブ・アドリー前内相に対する擁護。)

 

:アッドストール(民間企業の発行)

―ハビーブ・アドリー前内相と彼の部下アハマド・ラムジーは処刑されるべき。

 

:アルワフドワフド党所属反体制)

―ムバーラクは絞首台に向かう。

 

:アッシュルーク(個人所有)

―ムバーラク判決はショックを起こす。

 

:マスリ・アルヤウム(民間紙)

―ムバーラクは巧妙だ、処刑されれば支持派が狂気し、処刑されなければ大衆が騒ごう。彼は1か月前に撃たれて死ぬべきだった。

 

:アッタハリール(民間紙)

―ムバーラクは国民の流血を望んでいなかったと語っている。

 

:アル・ジュムフーリーヤ(政府系紙)

―ムバーラクの現実の姿があらわになった。

 

:ロウズルユーセフ(政府系誌)

―裁判所でベッドに横たわるムバーラクは、オスカーを受賞するにふさわしい最高の役者。

 

 これらの論評をどう理解するかは、読者個々人にお任せしよう。一言言えるのは、ムバーラク大統領に対して、あまり擁護の声は大きくないということだ。