「マレーシアの会議に出席して」

2012年1月21日

 

 マレーシアの国際会議に出席してきたが、マレーシアという国柄なのだろうか、「過激潮流に穏健思想で対抗する」という、緊張したテーマの割には、穏やかな感じで会議が進められた。

 しかし、よく考えてみると結構刺激的な内容であったことが、今更ながら感じさせられる。マレーシアのナジブ首相の発言もマハテイール首相の発言も、極めて大胆なものであったことが伺われる。

 つまり、ドルを基軸通貨とする、現在の経済システムはもう限界に達した。その結果、世界中で多くの経済混乱が、起こっているのだということだった。そのドルに代わる通貨は、実価値に裏打ちされたものでなければならないとし、金を取り上げていた。

 カダフィ大佐はアフリカの共通通貨を、金の裏打ちのあるものにと考えて、最終的には西側諸国によって虐殺された。しかし、マレーシアが提唱する金本位制度(?)は、イスラム・ファイナンスとリンクするものであり、そう簡単には潰せないかもしれない。

 もちろん、マハテイール元首相やナジブ首相が提案する金本位制(?)が、スムーズに実現するとも思わないが。ただこの金本位制がイスラム・ファイナンスとリンクして進められるとなると、話しは少し変わってこよう。 

 イスラム・ファイナンスはマレーシアばかりではなく、湾岸各国も行っており、それは膨大な額に達していよう。しかも、その運用がうまくいった場合は、ますます規模が拡大していく、可能性があろう。