インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙のネットが、エジプトのムスリム同胞団幹部との会見を報じているが、その内容が実に興味深いので、その要約を紹介することにした。
エジプトのムスリム同胞団幹部イッサーム・エリアン氏が、本音に近いだろうと思われる発言をしている。その内容は取りようによっては、危険なものとも思われる。なぜならば、エジプト軍とアメリカを活用するという、ニュアンスの発言が含まれているからだ。
イッサーム・エリアン氏は当分の間、少なくとも今後6ヶ月は、軍の役割を見守ると語っている。それは軍とイスラム勢力との衝突が、近い将来予測されるからだ。ムスリム同胞団はこのトラブルに巻き込まれないよう、他のイスラム勢力とは距離を置くようだ。
エジプトの軍部はかつての、ナセル、サダト、ムバーラク時代のように、全権を掌握することは望んでいない、とムスリム同胞団は見ているようだ。したがって当分の間、軍に主導権をゆだね、憲法改正をスムーズに進め、ムスリム同胞団が多数を占める国会をバックに、内閣を構成することを考えているということのようだ。
イッサーム・エリアン氏は現段階で、ロシアや中国が同組織とのコンタクトを取りたがっていると語り、アメリカもそうすると見ている。実際にアメリカはムスリム同胞団が結成する政府を支持しており、ムスリム同胞団の幹部と要人多数が会っている。ジョンケリー議員、パターソン大使、バーンズ国務次官などがそれだと誇らしげに語っている。
エジプトがイスラエルとの間に交わしたキャンプ・デービッド合意については、国家間の合意である以上、尊重すると語ったが、続けてパレスチナを中心にアラブ世界の状況が、大きく変化しているのだから、再考の必要があるとも語っている。