「タリバンが親米国に事務所設置か?」

2011年12月16日

 毎日多くのブログを見ていると、アレッという感じの情報に出会うことがある。最近の情報のなかでは、これが一番驚いた情報であろうか。

 それは、トルコのTODAY ZAMANのブログで流れていた『アフガニスタンはタリバンがトルコかサウジアラビアに事務所を開設すると語った』というものだ。

 それによれば、アフガニスタンのカルザイ大統領はタリバンとの間で、和平を討議しているということだ。そして、タリバンがトルコまたはサウジアラビアに、事務所を開設するというのだ。

 カルザイ大統領はタリバン以外にも、元アフガニスタンの政府高官や、ムジャーヒデーンの司令官らとの間で、アフガニスタンの和平について、話し合いを始めているということだ。

 これはアメリカとの合意の下なのであろう。アメリカは2013年頃にアフガニスタンから全面撤退する予定になっているが、その前に地ならしをする必要が、あるということであろう。

 述べるまでも無く、カルザイ大統領はアメリカの傀儡の大統領であり、アメリカの意向抜きにはありえないことであろう。またタリバンがトルコかサウジアラビアに事務所を開設するということも、両国がアメリカとごく親しい関係にある国であることを考えると、アメリカの了解無しにはありえまい。

 つまり、アメリカはアフガニスタンからの撤退を前に、既にタリバンとの間で相当突っ込んだ話し合いを、始めているということであろうし、その内容について、サウジアラビアやトルコには、知らせているということであろう。

 日本はアフガニスタンにとって、最大の援助国の一つだが、日本はこのことについてどの程度、アメリカから報告を受けているのであろうか。あるいは、アフガニスタン政府からどの程度の情報を、与えられているのであろうか。

 もし、アメリカからもアフガニスタンからも、何の情報も与えられていないのであれば、日本は完全に軽視されているということになろう。

 莫大な援助を送っている日本は、当然相当詳しい報告を受けて当然であろう。もし日本の外務省がその情報を提供されていても、機密保持の立場から明かさないのであれば、それはそれで結構なことだ。

 アフガニスタンが和平の方向に向けて、アフガニスタンの各派が話し合いを始めたというのであれば、それは朗報であろう。ただ、アフガニスタンは極めて複雑な国家であることから、和平の話し合いがスンナリと進むとは思えない。  

そこで日本の外交がそれを支え、然るべき成果を挙げることを祈りたい。かつて外務省の高橋博史氏はアフガン各派の調整に、応分の活躍をしたと聞いている。人材は日本にもいるということだ。