チュニジアで行われた、先の選挙の結果、イスラム原理主義のナハダ党が、第一党になったことは、誰もが知るところだ。そのナハダ党が世俗政党と連立で、新内閣を結成する動きが進んでいる。主な世俗政党は『共和国会議党』だが、その他にも参加政党が1~2党あるようだ。
いま既に、誰がどの閣僚ポストに就くのかが、話題になり始めているが、そのなかで最も重要なポストは、財務相ポストと国防相ポストであろう。どうやらこの二つの閣僚ポストは、ベン・アリ大統領時代の閣僚が、そのまま残留するようだ。
ある意味では、賢明な選択であろう。財務相は経験と知識が、ものをいうポストだからだ。全く経験のない人物が就任したら、国家財政という巨額な資金を動かすことに、とても対応できないだろう。
もう一つの残留閣僚のポスト国防相については、以前『イスラム原理主義政党が政権を取った場合、軍はクーデターを起こすだろう。』と内相が語っていた。そのことがあり、国防相との妥協を図ったのではないかと思われる。
またチュニジアの国防軍も、エジプトの国防軍と同じように、ジャスミン革命が始まり、革命が成功するに至るまで、デモ隊に弾圧を加えることがなかった。そのため、国防相はチュニジア国民から、尊敬されていることも事実だ。
チュニジアは一連の『アラブの春』革命の、発祥地であることから、選挙が実施され、その結果が出たいま、一日も早い組閣と、国家運営がスターを切ることを望んでやまない。
チュニジアでそれがスムーズに進められれば、エジプトやリビアにも、いい影響を及ぼすものと考えられるからだ・