イスラエルと緊張関係を続け、過去に戦争もした経験を持つ、レバノンのヘズブラが、イスラエルの戦争技術を覆す、努力をしてきていたようだ。
それは、2006年のイスラエル・ヘズブラ戦争の折に、既に始まっていたイスラエル側のミサイル発射用の、無人機の使用に対応するものであり、最近の無人機による、攻撃に対応するものだ。
ヘズブラ側の発表によれば、ヘズブラ組織はイスラエルの無人機と、地上基地との電波通信を妨害する方法を、開発したというのだ。そのことに加え、無人機を破壊する技術も、開発したことを明かしている。
これは最近の軍事技術の上では、最も進歩したシステムであったが、ヘズブラの開発した技術が、それを無効にするとなれば、イスラエルだけではなくアメリカにとっても、大変なことであろう。
アメリカが開発した無人機による偵察と攻撃、無人機と地上軍の情報の共有、それに偵察衛星を加えた作戦は、格段の軍事技術の進歩であり、そのことに加え、敵方の通信網破壊は、敵側に反撃の余地を、全く残さないものとなっていた。その成果の一つが、イラク戦争におけるアメリカ軍の一方的な勝利であり、今回のリビアでのカダフィ大佐追跡であった。
しかし、無人機と地上基地との電波通信が妨害されるようになれば、無人機を持つ意味は半減以下になる、ということではないのか。地上基地でゲームをするように、殺人を行っていたことが、不可能になるということだ。
もちろん、実はヘズブラはその技術をまだ開発しておらず、事前に流すことによって、イスラエル側にショックを与える、ということもありえよう。しかし、レバノンとの本格的な戦争を、イスラエルが考えているとすれば、再度無人機の電波通信について、チェックする必要があろう。
あるいは、無人機を1~2機破壊されることによって、ヘズブラ側の技術を、チェックしなければならないかもしれない。戦争は宣伝戦、神経戦、実践が一緒になって可能となろう。