「イスラエルによるイラン攻撃は起こるのか」

2011年11月 7日

 イスラエルのペレス大統領は、イスラエルがイランを攻撃する可能性が、高まっていると語った。

 過去数日間、欧米やイスラエルの報道は競って、イスラエルによるイラン攻撃の可能性と、イランの核兵器開発のニュースを流している。

 その決定的な瞬間は、もうすぐ来るだろうということだ。IAEAが国連の場で、イランの核兵器開発に関する、調査報告をするからだ。その場でどのような報告がなされるのかについては、知ることはできないが、もし明確にイランが核兵器を開発している、という報告がなされた場合には、イスラエルもアメリカも放置するわけにはいくまい。

 一体そうなった場合に、事態はどう展開するのか。今の段階で言えることは、イギリス軍幹部がイスラエルを訪問していること、フランスのサルコジ大統領がイスラエルの危険を、放置することは無いと言っていること、アメリカは必要となればイギリスの許可を取り、ジェゴガルシア島からイランを攻撃することを、決めていることなどだ。

 イラクがアメリカによって、攻撃を受ける動きになった時、大方の専門家はイラクが保持している兵器の量から、アメリカは相当の犠牲を、覚悟しなければならないだろう、というものだった。

 しかし、戦端が切られると、たちまちにしてイラク軍は破壊され、ほとんど抵抗らしい抵抗をすることができずに、戦いは終わっている。つまり、アメリカによって電子経路が寸断されたために、持てる兵器も、機能停止状態に陥ったのだ。

 イランの場合はどうであろうか。もちろん、イランがアメリカとイラクとの戦争がどのように展開したのか、イラクは持てる兵器を何故使えなかったのか、ということを十分に研究していると思われる。

 加えて、イランは自国で開発したミサイルや船艇、新兵器を発表している。それらを駆使して戦えば、ある程度のダメージをアメリカと、それに追従するヨーロッパ諸国やイスラエルに、加えることができると考えているのであろう。

 アメリカ軍がイランに上陸した場合、山岳地帯であることから、重兵器の使用は困難であり、人海戦術のイラン軍と戦った場合、大分不利な展開になるだろう、という予測が出ている。

 しかし、そうだろうか。イラン国民は欧米の圧倒的な新兵器を前に、戦闘意欲を維持することができるだろうか。現在のイスラム原理主義体制を、イラン国民はどこまで支持しているのかにもかかってこよう。戦争は起こらないに越したことは無いのだが、最悪の事態を想定しておくことも必要だろう。