リビアで革命運動が始まって間もなく、アメリカに亡命していた、ハリーファ・ヘフタル氏が帰国した。述べるまでも無い、彼はしかるべき意図をアメリカ政府から任命されて、帰国したということであろう。
そのハリーファ・ヘフタル氏が、何時の段階でリビア国内政治に台頭してくるのか、ずうっと待っていた。彼が登場してくることは、確実だと考えていたからだ。そして遂に彼の名前が、アラブのマスコミに登場した。
『ハリーファ・ヘフタル氏リビアの参謀総長に就任。』このニュースを流したのは、サウジアラビアがスポンサーの、汎アラブ紙アルハヤートだった。サウジアラビアとアメリカ、イギリスの関係を考えれば、この新聞が最初に情報を流した意味が分ろう。
参謀総長ということは、リビアの軍事を全面的に、掌握できるポジションだ。つまり、彼が中心になって建軍していけば、彼は何時でも大統領になることも、出来るということだ。
以前にも書いたが、ハリーファ・ヘフタル氏はカダフィ大佐に、能力が高いことで嫌われ、チャドに駐留させられ、嫌気がさしてニジェールに飛び出し、そこでアメリカに招かれて、20年間アメリカにいた人物だ。
そして、すでにご紹介したが、ジブリール氏の後任として、リビアの首相職に就いたのは、アアブドッラヒーム・ケイブ氏だ。彼は30年間に渡ってアメリカに、亡命していた人物だ。
この二人のアメリカ帰りの人物が、今後のリビアの政治、軍事を担っていくということだ。誰が考えても、それはリビア革命の果実を、アメリカが手にしたということであろう。
それで一番悔しがっているのは、フランスのサルコジ大統領ではあるまいか。あまりにも激しい歯ぎしりのあまり、歯が傷んで歯科医に行くことになるかもしれない。