アメリカのネットが、以下のような内容の記事を配信している。これは一言で言えば『シリアのバッシャール・アサド体制は確実に打倒される。』ということだ。そのことを感じ取れないとすれば、それは国際政治情勢音痴、ということであろう。
前にも書いたが、ヒラリー・クリントン国務長官は、シリアが内戦に向かって、進んでいると語っている。それは、シリアの反体制派には、武器と資金があるということだ。
このアメリカのブログは、シリアのムスリム同胞団が重火器を持って、戦っていることを暴露している。そして、その武器はトルコとレバノンから、流れていることも指摘している。
武器購入の資金はアメリカが提供し、アメリカ寄りのメデイアが、反体制派の動きを支援しているというのだ。それは、アラブの春が始まったチュニジアの場合を見ても、エジプトの場合を見ても、リビアの場合を見ても分かろう。
カタールのアルジャズイーラ・テレビが、相当反体制派の支援に回っており、反体制派のプロパガンダ放送をしていた、という印象を与えていた。この状態では、誰もアラブの春が起こっている、アラブの国の体制側の言い分を、聞こうとはしないだろう。
アメリカ政府は時折、きわめて明確に本音を語るようだ。国務省のマーク・トナー氏は、シリアを民主国家にすると語っている。そのことは、シリアの民主化(体制打倒)に、アメリカが応分の支援をする、ということを意味している。
事実、アメリカ政府は2005年の段階から、シリアの反体制派を支援しており、過去2年間の支援金は、5000万ドルだというのだ。それだけではなく、反体制派の人士が逮捕から逃れたり、検察の取調べをかわす方法まで、教えていたというのだ。
このようなアメリカの支援は、チュニジア、エジプト、シリア、レバノンの反体制派に対して、行われていたということだ。その結果、反体制派が動き出し、メデイアがそれを宣伝することによって、状況は一気に悪化し、暴発が起こるということのようだ。
この記事には、イランについても触れられている。つい最近、イランの首都テヘラン市に近い、革命防衛隊の基地で起こった大爆発事故は、実は西側の工作によるものだったというのだ。
イランの場合も、シリア同様に体制崩壊が起こるのであろうか。アメリカが考える体制打倒の方法は、まず国民が反体制運動を起こし、それが内戦に拡大し、それを欧米が軍事的に支援する、というパターンのようだ。
これだけ手口が分かっていても、止められないということは、アメリカの力が強大であるからであろうか、あるいは、アラブの体制が独裁的過ぎるからであろうか。多分その両方であろう。