「カダフィ死亡効果でシリア・イエメン緊張」

2011年10月23日

 

 リビアのカダフィ大佐が、遂にNTC側(リビア新政府)の兵士によって、殺害された。このことは、リビアのカダフィ側とNTC側(リビア新政府)との戦闘が、終了したことを意味している。最終段階でカダフィ大佐は逃亡を図ったが、空爆を受け近くの下水道に身を隠したようだが、つかまり、暴力を受け、次いで銃殺されたようだ。

 その暴力を受けるシーンも、血みどろになって横たわる姿も、インターネット上で世界に配信されている。リビアの最高権力者の最後は、極めて凄惨なものであった。

 このカダフィ大佐の最後を見た、シリアやイエメンの反体制側の人々は、このことで大分勢い付いたようだ。『次はお前だ!』とばかりに、シリアではバッシャール・アサド大統領の追い落としを激化させ、イエメンでも同様にアリー・サーレハ大統領の追い落としに、勢いがついている。

 当然ことながら,この事態を受けてシリアとイエメンの体制側も、容赦の無い反体制潰しに、力を注いでいる。シリアの各地では、戦闘が激しさを増し、イエメンでも同様の状態となっている。

 いずれ両国の大統領も、カダフィ大佐同様に、最後の時を迎えるのであろうが、そのときは、逮捕され正式な裁判に、かけられるべきであろう。リビアの場合は、あまりにもむごい殺害の仕方をしているし、それは国際法に違反するものであった。

 NYC(リビア新政府)は『カダフィ大佐を殺害する命令を、出していなかった。』と主張しているが、それで責任を逃れられるとは思えない。今後、国際社会ではリビアの新体制NTC(リビア新政府)の、カダフィ大佐殺害が非難される可能性があろう。

 いずれにしろ、カダフィ大佐の最後は、シリアのバッシャール・アサド大統領とイエメンのアリー・サーレハ大統領の、最後の時を予告させたということだ。そして、幸いにして、彼の無残な殺され方は、シリアとイエメンの国民に、正式な裁判をするべきだという教訓を、残したということであろう。