「サウジアラビアが二度目の反米行動・大丈夫か?」

2011年9月27日

 サウジアラビア政府は、アメリカとの強い信頼関係を、維持してきた国だ。そのために、サウジアラビアの王制は、安定してこれた、という部分が多い。つまり、サウジアラビアの体制は、アメリカによって守られてきた、ということだ。

 その反対給付として、サウジアラビアはこれまで、石油価格の安定にアメリカの意向に沿い、協力してきていた。また、アメリカによるイラク侵攻(湾岸戦争、イラク戦争)時には、全面的な協力もしてきた。

 しかし、昨年末から始まる、アラブ世界の不安定化の中で、サウジアラビア王家はアメリカの意向に、反する動きを明確にし始めた。その一つは、エジプトのムバーラク体制を倒す方向に、アメリカが動いたとき、全面的にこれに、反対した。

 革命が達成された後、サウジアラビア政府はアメリカの意向に反し、新生エジプトへの協力を、しない立場をとりもした。

 第二のサウジアラビアの、アメリカに対する抵抗は、パレスチナ問題だった。今回国連で、パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長が、国家としての承認を要請したが、これをサウジアラビアは、全面的に支持したのだ。

 しかし、アメリカの立場は国連での承認ではなく、かつ、パレスチナ側の一方的な要請によるのではなく、パレスチナ国家の樹立は、イスラエルとの話し合いによるべきだ、という立場だ。

 以上述べたように、サウジアラビアは重大なテーマで、アメリカと立場を異にしたのだ。その結果、何がサウジアラビア政府や、王家に及んでくるのか不明だ。多くの識者たちは、このことがサウジアラビアとアメリカとの関係を、破壊していき、アメリカがしかるべき敵対的立場になり、サウジアラビアに対する行動を、起こすのではないかという不安を抱いている。

 かつて、アメリカの国防総省の高官は、アメリカの国益のために、保守的なアラブの体制は破壊しなければならない、と言っている。サウジアラビアはまさに、保守派アラブの代表的な、国家ではないのか。