先日、新生リビアの代表者であるムスタファ・アブドッジャリール氏が、元リビアに居住していたユダヤ人に、『リビアに戻り政治に参加してほしい。』と語ったということをお伝えした。
それに続いて、王制時代の閣僚の子息であるアハマド・シェイバーニ氏は、『イスラエルとの協力関係が重要だ。』と語っている。彼に言わせれば、イスラエルの持つ国際的な影響力を通じて、新生リビアが国際的認知を受けていく必要があるからだ、というのだ。
これらの新生リビアの要人の発言を、どう受け止めるかということであろう。述べるまでもなく、イスラエルのアメリカ政府に与える、影響力は甚大であり、アメリカの中のユダヤ人組織が持つ力も強力だ。
今回のリビア革命で、イスラエルや在米ユダヤ人が、その初期の段階から、革命を支援した可能性があることを、物語っているのではないか。そう考えれば、今後のリビアはある程度の発展が、期待できるかもしれない。
しかし、他方では、元リビアに居住していた、ユダヤ人の子息たちの中には、リビアに戻ってそこで生活をする気にはなれない、という意見が多いようだ。それは今後のリビアが、まだまだ不安定であり、何が起こるか分からない、ということであろう。
なかでも、ユダヤ人にとって気になるのは、リビアのイスラム原理主義者たちが、革命後にどのような動きをしてくるかであろう。チュニジアの場合は、20年間亡命していたナハダ党のメンバーが、革命後に帰国し、一大政治勢力となりつつあるし、エジプトでもそれまで禁止されていたムスリム同胞団が、堂々と政治に参加し、発言力を強めている。
リビアは今、ハイリスク・ハイリターンの典型的な国に、なっているのかもしれない。ギャンブル志向の人にとっては、リビアに今出ていくことが、一獲千金のチャンスかもしれない。