「またパイプ・ライン爆破テロが起こった」

2011年8月 6日

 

 NO・2044でパイプ・ラインに対するテロが、最近になって中東地域で、増えていることをお伝えした。これまでは暗黙の了解があったのか、パイプ・ラインに対する爆破テロは、ほとんど起こっていなかったのだが、最近になって、目立って増えている。

 金曜日にもイランのアフワーズがある、イラクの国境に近いフーゼスタン地方で、石油パイプ・ラインに対する、爆破テロが起こったようだ。起こったようだというのは、爆発が起こったかどうかではなく、これが反体制派のテロかどうかが、不明だという意味だ。

 爆発はカレ・ナアル市とフーゼスタン地方の首都、アフワーズ市に繋がるパイプ・ラインで起こっている。このパイプ・ラインはイランでは最も長いもののひとつであり、一日4000バーレルを、輸送することが出来るものだ。

 パイプ・ラインの火災は、10時間後に消火されたようだが、未だに完全な消火には、至っていないのではないか。

 このパイプ・ラインの火災が、何故起こったのか、反政府のテロなのか、あるいは単純な爆発によるものなのか、今のところ不明だ。しかし、このイランの西部はクルド・ゲリラ(PJAK)や、スンニー派イラン人ゲリラなど、反政府勢力がこれまでも、テロを行ってきている地域だ。

 最近ではイラン政府軍による、クルド・ゲリラ(PJAK )に対する、徹底的な殲滅作戦が、行われているだけに、クルド・ゲリラの報復攻撃、と推測することもできよう。いずれにしろ現段階では、爆発の原因は不明だ。