「アラブの春の影響かUAEオマーンの関係改善」

2011年7月12日

 アラビア半島の北東部に位置する、オマーンのスルタン・カーブース国王が、隣国UAE(アラブ首長国連邦)を訪問し、UAEのトップ・メンバーと会談している。

 会談の会場に選ばれたのは、オマーンからも近い、UAEのアルアイン・オアシスで、UARのシェイク・カリーファ・ビン・ザーイド大統領、ドバイのシェイ・ムハンマド・ビン・ラーシド首長兼UAE首相、アブダビのシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド皇太子などが参加した。

 オマーンとUAEが話し合った内容は、UAE側が行っていた・オマーンに対するスパイ行為をやめさせる、というものであったが、話し合いの結果・穏便な解決が図られた模様だ。この点については、スルタン・カーブース国王から、両国関係が強化されていく、という表現で語られている。

 この会談に先立って、アブダビの皇太子がオマーンを訪問しており、今回はセレモニー的な意味合いが、強かったものと思われる。

 なぜこの時期に、この問題が取り上げられ、解決を見たかといえば、UAEもオマーンも、アラブの春が自国に及ぶことを恐れ、できるだけ隣国との関係を改善し、協力して対応していこうと、いうことではないかと思われる。

 これ以外に、UARでは有権者の数を、大幅に増加している、2006年の選挙時には、6500人であった有権者数が、今回の決定で、13万人に増加している。これも、アラブの春の影響が及ぶことを、恐れた次善の策ではないか、と思われる。

 アラブ各国は出来るだけ早めに、大幅な改革を進める必要があろう。そうでなければ、不安定な状態が、アラブの各国で発生してくることになろう。

 最近になって、イスラエルの国防相情報部は、私と同じように、アラブの春について、『伝染病』という判断を下した。そのことは、アラブのすべての国に、アラブの春の影響が、これから多かれ少なかれ及んでいく、という判断であろうと思われる。