ヨルダンタイムズ紙が、革命から6カ月が経過したチュニジアの状況を、ありのままに伝えている。予想した通りと言えばそれまでのことだが、チュニジアの国内状況に、これといった好転はないようだ。
チュニジアの主要産業の一つは観光業だが、外国からの観光客は激減しているようだ。ラクダの業者が言うには、以前はベン・アリ統領の家族が、ただ乗りしていたが、それはなくなり自由になったということだ。
観光業に携わっているチュニジア人は、5人に1人だったものが、最近ではその半分が、離職しているということのようだ。
経済の伸びも、昨年2010年は3・7パーセントだったものが、今年は今までで1パーセントの伸びしか、記録していないということだ。チュニジアの財務大臣ジャッルール・アイド氏は、来年に期待し、来年の成長率は5パーセントに達するだろう、と予測している。
チュニジアの国民や政府は、今回の革命が達成された後、諸外国かららの経済援助が、数十億ドルに達するだろう、と期待していたが、それは期待倒れに、終わりそうだ。チュニジアの若者は、革命を褒めるだけではなく、外国は援助すべきだ、と不満を述べてもいる。
しかし、それは甘い期待と予測であったろう。自分で努力して、状況を変えなければならないのが、基本であり、それに外国の支援が重なって、状況が好転するという考え方を、しないのだろうか。
チュニジアの失業状況は、革命前よりも悪化しており、仕事に就けない若者の間には、非合法に船でヨーロッパに、出稼ぎに行くか、革命のきっかけとなった、ムハンマド・ブアジジのように自殺するしかない、と語っている。
最近のチュニジア社会について、あるチュニジア人は『以前は不満と恐怖があったが、今は不満はあるが恐怖はなくなった。』と現状を皮肉っている。この先については誰もが、暗い予測をしているようだ。
革命は必要であろうが、そのあと何年間で秩序を回復し、復興に向かってスタートを切るかであろう。その青写真を描くのは、政治家と官僚ということになるのだろうが、人材に事欠くのが、アラブ諸国のほとんどであろう。
日本の戦後復興が参考になるのだろうか?何とも言えない。