パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長が、遂に堪忍袋の緒が切らしたのであろう。ムハンマド・ダハラーン氏のガザに居住する、支持者が運営するウエッブを、8つも閉鎖させたのだ。
そのウエッブとは、コフィア・プレス、パル・ボイス、フィラス・プレス、アマド、ファラステイン・バイツナだ。このマハムード・アッバース議長の決定に、ファタハ内部から、不満の声が上がっている。
マハムード・アッバース議長は何故これまでも、ムハンマド・ダハラーン氏の動きに、敏感に反応するのだろうか。ムハンマド・ダハラ-ン氏は英語、ヘブライ語を流暢に話すことから、イスラエルやアメリカの要人との関係が、極めていいということが、以前から話題に上っていた。
そのことが、マハムード・アッバース議長を、不安に陥れているのであろう。マハムード・アッバース議長は、ムハンマド・ダハラ-ン氏がファタハを乗っ取り、トップの座に就こうとしているのではないか、という不安があるのだ。
そのため最近では、マハムード・アッバース議長は真剣に、ムハンマド・ダハラーン氏をファタハの幹部の地位から外すだけではなく、パレスチナの土地から追放することを、考えているということのようだ。
昨年も、マハムード・アッバース議長は、ムハンマド・ダハラーン氏の友人が運営する、テレビ局を閉鎖させている。ここに来て、マハムード・アッバース議長が、5つものウエッブの閉鎖を命令したのには、相当な焦りがある、ということではないのか。
あるパレスチナ人が、マハムード・アッバース議長の立場を『前からはイスラエルの剣が,後ろからはハマースのナイフが彼を狙っている。』と語っている。
加えて、パレスチナでもアラブの春の兆しが、あちこちで見え隠れし始めたのであろう。その動きで若手のムハンマド・ダハラ-ン氏が目立ってきているのであろう。