「ハーリド・ミシャアルよ、お前もか!!」

2011年5月26日

 パレスチナを国家として、承認してもらおうとする計画を、パレスチナ自治政府が建て、今年の9月の国連で、提案する予定になっている。この目的に向けて、パレスチナ自治政府のマハムード・アッバース議長が、どうしてもクリアしなければならない関門がある。

 それは、パレスチナ内部が一体である、という形にすることだ。現状では、ガザを支配するハマースと、ヨルダン川西岸地区を支配する、ファタハとに分かれているからだ。このままでは、パレスチナ自治政府としては世界に対し、パレスチナ人すべてを代表している、とは言い難いことになる。

 そこで秘密交渉が重ねられ、最終的にハマースとの合意が見られ、合同政府を創ることが合意されたのは、つい最近のことだ。このハマースとファタハとの交渉は、もっぱらシリアのダマスカスで、行われていたのであろう。

 シリアのダマスカスで交渉が行われたとなると、ハマース側の交渉相手はハーリド・ミシャアル氏ということになる。ハマースのハーリド・ミシャアル氏は、パレスチナ自治政府にハマースが復帰することで、パレスチナ自治政府はより一層の、和平へのチャンスを、創り出すことができると語っている。

 しかし、このハーリド・ミシャアル氏は、ガザのハマース幹部がウサーマ・ビン・ラーデンの死について、哀悼の意を表したことを、口が滑ったのだと評したことから、ハーリド・ミシャル氏とガザのハマース幹部との間で、意見の相違が目立ち始めていた。

 ここにきて、ガザのマハムード・ザハル氏は「ハマースはイスラエルとの和平交渉を支持したことも無いし、パレスチナの代理で交渉することも、支持した覚えはない。」と全面的にハーリド・ミシャアル氏ら、ダマスカスのハマース幹部の動きを否定した。

 ハーリド・ミシャアル氏らシリアのダマスカスに、拠点を置くハマースの幹部は、なぜこの時期にファタハとの合意に、至ったのであろうか。それはチュニジアやエジプトで起こった、大衆蜂起を見てのことではないか。そして、その動きがシリアでも、起こってきていることから、方向転換の必要性を、感じたのであろう。

 しかし、もう一つ考えられる理由は、ハマースとファタハが合意し、合同政府を創る段階になり、ハマースの誰が閣内に入るのか、ということも理由であろう、と専門家はみている。

 ハーリド・ミシャル氏らダマスカスのハマース幹部は、パレスチナ合同政府の閣僚に就任することを、希望しているということだ。。つまり、金と名誉がそこには、横たわっているということだ。『ハーリド・ミシャルよ、お前もか!!』