トルコ政府は、イギリスやフランスのリビアに対する攻撃的姿勢とは異なり、極めて冷静な対応を示してきていた。あくまでも、話し合いによる解決を、目指してきていたのだ。
これに先立ち、トルコは大分前から(数年前)、カダフィ大佐に対して民主化を進めるように話しかけても来たようだ。しかし、カダフィ大佐はこのトルコのアドバイスに、耳を貸さなかったようだ。
それは、シリアのアサド大統領の場合と同様に、カダフィ大佐本人の意思もさることながら、カダフィ大佐と革命を起こした、革命第一世代と彼らの子息たちの意向(慾)が、それをなかなか許してくれないからのようだ。
こうしたトルイコ側の配慮にもかかわらず、事態は刻一刻と進展しており、これまで止め役に回っていたアメリカも、無人機を派遣し、リビアのトリポリの幾つかの拠点を、爆撃し始めている。
このアメリカの動きは、大きくイギリス・フランスを、勇気づけていることであろう。加えて、アメリカによるベンガジに拠点を置く、リビアの反体制派に対する接近も、活発になってきている。
そうした中で、反体制の代表者であるムスタファ・アブドッジャリール氏が、トルコの首都アンカラ市を訪問した。この中でムスタファ・アブドッジャリール氏は、トルコが初期の段階から、リビア問題に対し、公正な立場を堅持してきていたことに、感謝の意を表している。
しかし、だからと言って、トルコは反体制側の組織が、リビアを代表するものだとは、未だに認めていない。現段階でも、トルコは願わくば、リビアの内紛が平和的に解決されることを、望んでいるということであろう。
最近、トルコのダウトール外相は、カダフィ大佐が辞任することが、平和的なリビア内紛の解決につながることを、強調していることからも分かろう。