リビアに駐留するフランス軍が、近く軍用ヘリコプターでカダフィ軍を、攻撃することを発表した。そのことは、現状と今後のリビア情勢を、ある程度語っているものと思われる。
敵軍に対し、軍用ヘリコプターで攻撃するということは、近距離からの攻撃であるために、その効果は大きいが、同時に、軍用ヘリコプターが敵側から、撃墜される可能性も高いということだ。
もちろん、フランスは危険度の高い早い段階で、軍用ヘリコプターを使用しての、攻撃を考えるわけがない。つまり、リビアのカダフィ軍は相当なダメージを、既に受けており、地上からの軍用ヘリコプターに対する、反撃の可能性は大分低下している、ということではないのか。
フランス軍の今回の決定を聞いて、イギリス軍も同様の準備が出来ており、軍用ヘリコプターによるカダフィ軍攻撃の、可能性をにおわしている。そのことは、益々、カダフィ軍側の形勢が悪化していることを、示しているのではないか。
他方、トルコのダウトール外相は、リビアの反体制組織のリーダーである、アブドッジャリール氏と会談し、その中で、「カダフィ氏は早急に辞任すべきだ。」と語っている。
それ以外にも、アメリカの国務次官であるジェフリー・フェルトマン氏が、リビアの反体制組織の幹部と、ベンガジで会談している。加えて、ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相も、リビアの反体制派と会談する意思のあることを、語っている。
リビアの隣国であるチュニジアからは、カダフィ大佐の妻娘が亡命したのではないか、という情報が流れてきているし、先日トリポリを離れたリビアのシュクリ・ガーネム石油相は、亡命したことが明らかになっている。
船が火事になるときは、「いち早くネズミが逃げ出す。」と言われるが、リビア高官の亡命や、家族の亡命は、カダフィ体制の終焉の兆候であろう。だからこそ、フランスは軍用ヘリコプターでの攻撃に、移ると発表したのであろう。