アフリア諸国首脳がリビアを訪問し、カダフィ大佐に会い、停戦の実現について話した。結果は、カダフィ大佐が提案を受け入れたが、反カダフィ派はこれを拒否したと言われている。
反カダフィ派が拒否した理由は、カダフィ大佐の辞任(本人は公職に無いと言っている?)はあるものの、彼の子息であるサイフルイスラーム氏が、新たに行われる大統領選挙に、立候補できる余地があったためだ、と言われている。反対派の一部は、カダフィ大佐と一族郎党全部に、姿を消して欲しいということであろう。
しかし、反カダフィ派にも内部には、妥協する時期だという意見もあるようだ。それは、反カダフィ派が次第に、武器と資金と戦闘員が、不足してきているからだということだ。
そのため、反カダフィ派のなには、カダフィ大佐が権力の座を降りて、サイフルイスラーム氏が大統領として、一定の期間権力を握ることに、反対しないという意見が、出てきているということだ。それは、カダフィ大佐に比べ、サイフルイスラーム氏の方が、柔軟であり懐柔しやすい、という読みもあるようだ。
サイフルイスラーム氏とカダフィ大佐支持派は、カダフィ大佐が権力の座から降りた後も、シンボルとして評価され、彼の功績が認められるようにしたい、という願望があるようだ。カダフィ大佐が内紛の初期に、自分には何の地位も無いと語ったことが、実は「大統領選挙を認める。」という意味だった、と推測する人たちもいる。
サイフルイスラーム氏は以前から、憲法を制定し政治的、経済的改革を進めることが、リビアには必要だと主張してきていたことが、一部反カダフィ派の人たちによって、認められているのかもしれない。
しかし、そうした評価とは別に、サイフルイスラーム氏はカダフィ大佐のオウムにすぎないのだ、とする考えもあるようだ。サイフルイスラーム氏は選挙に立候補しても、他の強硬派(9・1リビア革命のメンバーやその家族か?)の立候補は認めない、とも語っているということだ。
リビアの外務副大臣であるハーリド・カイム氏は、新憲法が準備されており、近くそれが公表されようと語っている。リビア国会スポークスマンのムハンマド・アブルカースム氏も、リビアの新憲法は出来上がっており、検討を待つばかりだと語っている。
さて双方が疲労気味になり、こう着状態に陥っているリビア内戦が、アフリア首脳の仲介を機に、前進するのだろうか。あるいはあくまでも反カダフィ派の拒否で、進まないのであろうか。