サウジアラビアを始めとするGCC諸国軍が、バハレーンの反政府デモ鎮圧に向けて、派兵された。さっそく流れてきたのは、デモ隊側の一人がサウジ兵アハマド・ラッダーニ氏を銃撃し、死亡させたとういうものだった。
他方、デモ隊側にもサウジアラビア軍の発砲により、数百人の負傷者が出た、と伝えられている。
今回のGCC軍のバハレーン派兵以外にも、バハレーン政府はデモ隊対応のために、パキスタンイエメン、などから傭兵を雇い入れた、という情報も伝わってきている。
そのことは、バハレーン政府側が徹底したデモ隊潰しを、決断したということであろう。そして、そのことはアメリカ政府が許可したのであろう、という推測が流れている。
バハレーンはアメリカとの間に、軍事基地協定が存在し、バハレーン政府はアメリカ側に、海軍基地を貸与している。この合意に基づき、バハレーンのおよそ40平方キロメートルの土地が、アメリカ軍の基地用に、割り当てられている。
アメリカはこのバハレーンにある海軍基地を、第5艦隊の基地として、使用しているのだ。したがって、アメリカ政府の許可なしには、バハレーン政府がデモ隊に対する、徹底した対応を決定することは、できなかったろうというのは、納得のいく推測かもしれない。
これを裏付ける状況証拠として、バハレーン政府が徹底対応を決定する少し前に、アメリカのゲイツ国防長官がバハレーンの首都マナマ市を、訪問していることを上げている。
しかし、こうしたバハレーン政府の決定は、デモを平和的なものから、より過激なものに変貌させてしまう、危険性があろう。
イラン政府はこのバハレーン政府の、力による対応への変化を、強く非難しているし、バハレーンを始めとする湾岸諸国は、イランのバハレーン問題への、介入を強く警戒してもいる。
他方、サウジアラビアでも小規模なデモが行われたが、そのことを大きく取り上げたのは、イランだった。イランの報道によれば、サウジアラビアで起こったデモは、間もなくユーチューブから姿を消したということだ。