「アラブ諸国はリビアに軍事介入すべき」

2011年2月26日

 リビアのカダフィ大佐が、遂に本物の狂人になって、しまったようだ。自国民にロケット砲や、空軍機を使って、攻撃を加えるというのは、もう尋常ではない、ということであろう。

 トリポリなどでは、リビアの大衆が行った、抗議デモに対し、容赦なく機関銃弾を浴びせた、ということだ。また、ロケット砲であろうか、あるいは他の武器であろうか、武器は何であれ、人間の下半身全てが吹っ飛んでしまうような、攻撃を加えたという情報も、伝わってきている。

 しかも、こうした大惨事の前には、スーダン、チャド、ニジェールなどのアフリカから集められて、来たスナイパーたちが、リビア人の反カダフィ行動を、起こしている人たちに向けて、頭、首、心臓を、狙い撃ちにしたということだ。

 しかし、そうまでむごたらしい攻撃を加えても、反カダフィの動きは止まらない。次々と、リビアの主要都市が、反カダフィ派の手に、落ちてきている。残るのは首都トリポリ市だけだ、と伝えられている。

 しかし、この首都トリポリ市には、リビアの全人口650万人のうちの、200万人が居住している。そのトリポリ市でも、反カダフィ闘争が起こっているのだから、カダフィ大佐はなんとしても、トリポリを確保し続けようとし、あらゆる手段を講じるだろう。

 つまり、トリポリ攻防戦で何万人、あるいは何十万人という、膨大な数のリビア国民が、犠牲になる危険性が、迫っているということだ。アメリカやヨーロッパの国々は、軍事介入を検討し始めているようだが、その前に、アラブ軍が軍事介入すべきであろう。

 エジプトでは、各政党のリーダーたちが、リビアへの軍事介入を、呼びかけている。アラブの軍隊が入らなければ、不必要な殺戮が行われる、危険性があろう。リビアでは英語で作戦を行おうとすれば、それだけで反カダフィの住民のなかからの、抵抗もあろう。だからこそ、リビア人のプライドを保つ意味でも、アラブの軍事介入が、欧米よりも優先すべきだ、と思われるのだ。

 ただし、そのアラブ合同軍が介入する場合に、一番気を付けなければならないことは、カダフィ大佐が開発した、毒ガス兵器、化学兵器が使われる、危険性があることだ。

 それは、欧米軍の介入の場合も、同じであろう。「窮鼠猫を噛む」ではないが、カダフィ大佐は自分が殺されるか否かの、瀬戸際にいるわけであり、手段を選ぶことはあるまい。十分な用意をしたうえで、リビアへの軍事介入を、早急に進めて欲しい。