「ポスト・カダフィに誰が登場するか」

2011年2月24日

 死に体になってきた、カダフィ大佐の体制が崩れ去るのは、時間の問題だろう。彼はいま、グリーンブック理論に基づいて、彼が組み立てた直接国民による国家統治体制でも,リビアそのものでもなく、彼自身の命を守るために、戦っているということではないか。

 そのためには、何千人でも何万人でも、リビア国民を殺すつもりのようだ。その狂気性が、リビア国民全員の知るところとなり、カダフィ離反現象が、早まってきているのであろう。

 そうしたなかで、既に、アメリカやイギリスでは、ポスト・カダフィに誰が登場するかの、予測が始まっている。それらの予測によると、まずアメリカの元ブッシュの国家安全保障会議の、アドバイザーだったエリオット・アブラム氏は、カダフィ大佐が全てをぶち壊したので、再建が難しいだろう、と語っている。

リビア国民はカダフィ体制下で民主主義も、自由な選挙のやり方も、報道の自由も、知らないで暮らして来ただろうということだ。

 次いで、スペンサー氏はデイリー・テレグラフ紙に寄せた原稿のなかで、リビア国民の間で知られている人物は、カダフィ大佐と共に行動した人物たちだとし、元首相職を務めた、アブドッサラーム・ジャッルード氏を挙げている。それ以外では、ベンガジで反カダフィ宣言をした、アブドルファッターハ・ユーニス内相、彼らはともにカダフィ大佐と革命を起こしたメンバーだ。

 それ以外には、亡命してカダフィ体制打倒活動を続けてきた、ムハンマド・アリー・アブドッラー氏の名が上がっている。

 リビア人の亡命組みには、極めて優秀な人物が少なくない。なかでも、現在50代の後半から60代前半の人たちの中には、アメリカやイギリスで博士号を取得し、現地で大学教授を務めている人物も、少なくないのだ。もちろん、もっと若い層にも、優秀な人材はいる。リビア国内だけで、カダフィ大佐の愚民政策の下で育ってきた人たちのレベルを見て、リビア人を判断すべきではあるまい。彼らの中にすら優秀な人材はいるのだから。