「カダフィ大佐、各国から集中砲火を浴びる」

2011年2月22日

 リビアの革命の指導者、狂犬カダフィ、アフリカの王の中の王、といろいろなアダ名を付けられてきたカダフィ大佐が、ここにきて、どうやら人生最大の窮地に、追い込まれたようだ。

 人は溺れる犬に石を投げつけ、棒で叩くことが好きなようで、そんな弱い立場に立たされたカダフィ大佐に、各国から罵声が、浴びせかけられ始めている。身から出た錆であり、あるいは致し方の無いことかもしれないが。

 イスラエルのペレス大統領は、カダフィ大佐が「中東からイスラエルを消したい。」と言っていたことを取り上げながら、カダフィ体制の一日も早い終焉を、期待すると発言をしている。そして、ペレス大統領はその日が近いことを、予言している。

 これまで、アラブ世界の動向を、細かく伝えてきたイランは、どういうわけか、リビアについては、ほとんど報じないできていた。そのことを不思議に思ってきたのだが、ここにきて、やっと重い口を開き始めた。

 イランの外務省高官は、「市民の抵抗に対して、武力を用いるようなことは、国際社会が終わらせなければならない。」とカダフィ体制のデモ隊に対する、武力による対応を非難した。

 これまで、イランがリビアのカダフィ大佐に対して、あまり批判の言葉を向けなかったのは、あるいはカダフィ大佐が、反イスラエルの立場を、採っていたからかもしれない。

 元リビアに在住していた、イギリス在住のユダヤ人は、「現在報じられている以上の犠牲者が、出ているものと思われる。」と語り、今後の展開がますます悲惨なものに、なることを懸念している。

 そして、最後はエジプトのムスリム同胞団のトップ、ユーセフ・カルダーウイ師の発言を紹介しよう。ユーセフ・カルダ-ウイ師は「リビア軍の誰であれ、カダフィを撃ち殺せる者は撃ち殺していい、それを実行するべきだ。」と語っているのだ。

 つまり、ユーセフ・カルダーウイ師は、最高の権威あるイスラム法学者の立場から、リビア人に対して、カダフィ大佐を殺害することは、義務であるという、ファトワ(宗教裁定)を下したということだ。

 人を殺すということは、同時に自分を殺すことでもあるという、基本的な考えを、カダフィ大佐も思い起こすべき、時期が来たということであろう。