「ムバーラク大統領の辞任」

2011年2月11日


 エジプトのムバーラク大統領は、アメリカと国民の圧力の前に、遂に辞任を決めたようだ。彼は権力を軍に移管し、次いで緊急委員会がその後について、決定していくようだ。

 ただし、ムバーラク大統領の後任の大統領になるのは、アメリカやイスラエルが信頼する、オマル・スレイマーン副大統領であろう。

 オマル・スレイマーン氏については、諜報長官であったため、冷血動物のように国民から嫌われていた。

 今回の大規模デモの後、オマル・スレイマーン氏が大統領に就任すれば、アメリカが大規模援助を決定し、当分はエジプト国民の生活が、潤うことになろう。

 しかし、その後に民主化が進むかといえば、その保証はない。

 国民のなかから300人もの死者を出した、今回の抗議デモは、結果的にムバーラク大統領を辞任させたが、彼の率いていた与党体制は、残ることになった。それでは一体、国民は何を得たのだろうか。