チュニジアの国内不安状況は、単なる話題のレベルを、はるかに超えたとようだ。
デモ隊に対する警察の発砲で、既に公式発表で21人が死亡。非公式発表では、40―50人が犠牲になった、と伝えられている。
しかも、デモは地方都市ばかりではなく、遂にチュニジアの首都の、チュニスまで拡大している。
政府の発表では、庶民の「職よこせ」「もっといい生活を」の要求デモを、過激派やイスラム原理主義者が煽って、現在のような危険な状態にしたのだ、と説明している。
しかし、そうとばかりは言えないようだ。庶民の要求には、失業対策と経済改善があるが、そのことに加え、ベン・アリー大統領に対する直接的な非難の声も、出てきている。23年にも渡る彼の統治に、限界が来ているのかもしれない。
若者たちは商店を襲撃し、物を奪い、銀行にも放火するに至っている。言ってみれば、無政府状態ということになろうか。しかし、最近では強権の発動により、暴動は少し収まりつつある、とも伝えられている。
政府は経済対策、失業問題解消のための、30万人の就職口の用意に加え、社会問題、政治的自由の拡大なども、進めなければならなくなってきたようだ。
今回のチュニジアのデモあるいは暴動でも、ツイッターやフェイスブックが効力を発揮したようだ。その中には「大統領国民は死にかけています。」という文章があり、庶民の支持を強めたということだ。