スーダンのオマル・バシール大統領が、南部スーダンのジュバ市を訪問した。この訪問は、スーダンの近現代史にとって、記録すべき意味合いを持ったものであった。
オマル・バシール大統領を迎えたのは、南部スーダンのリーダー(大統領)であるサルヴァ・キイル氏であった。レッド・カーペットを敷き、ジュバの空港で丁重にオマル・バシール大統領を迎えた。
オマル・バシール大統領はジュバでの演説の中で、南部スーダンが分離独立を希望するのであれば、それを受け入れると言い、その際には、ハルツーム(スーダンの首都)から、専門家を派遣し、技術、ロジステック、専門家の支援をすると語った。
南部スーダンの今後については、これから6ヶ月の期間をかけて、南北で交渉が行われるが、そのなかには国境の、確定問題も含まれる。現在の段階では、南北の国境は20パーセントの地域について、いまだ確定していない。交渉は7月9日に成立することを、目指して進められる。
もちろん、オマル・バシール大統領は南北に、スーダンが分割されることよりも、スーダンが今後も、統一した状態で存在することを、願っている。今回の分離独立に向けた、前向きの発言は、あくまでも、流血を終わらせたい、ということからのものである、と思われる。
オマル・バシール大統領は今後も、南北が分離することなく、存在することを望むが、もし、分離した場合には、兄弟的な関係、自由な往来、交流が行われることを、望むとも語っている。
スーダンの南北対立抗争は、1992年以来、今日まで続き、これまでに200万人の人たちが、犠牲になったと言われている。流血はもう沢山という感情が、南北どちらからも、出てきているのであろう。
問題は、他の例と同じように、国際社会が南北の平和的、分離独立を受け入れるか否か、にかかっている。他国の直接間接関与により、流血の事態が継続されることも、十分にありうるということを、忘れてはなるまい。