「ノルウエーで拡大する反ユダヤ・イスラエル感情」

2010年12月29日

 ノルウエーはヨーロッパ諸国のなかにあって、ユダヤ人やイスラエルに対して、厳格な立場を採る国のようだ。

最近話題になっている、ウィキリークスが伝えたところによれば、ノルウエー政府や国民は、イスラエルに対して、厳しい眼を向ける半面、パレスチナのハマースに対し、シンパシーを感じているということだ。

ノルウエーがイスラエルやユダヤ人に対して、厳しい見方をするようになったのは歴史的な理由もあろうが、最も理解しやすい理由は、ノルウエーがレバノンの平和維持運に、20000人の軍人を送っていたことによるということだ。

彼らノルウエーの軍人たちは、レバノンに駐留する間に、パレスチナ難民の実態を直接見、彼らの意見を聞く機会があったからだ。同時にレバノン人に対しても、パレスチナ人に向けると同様の、シンパシーを感じているということのようだ。

ノルウエー人がイスラム教徒やパレスチナ人に対し、警戒心を持っていないのは、彼らからのテロ攻撃の可能性を、ほとんど感じていないからだ。

 その主たる理由は、ノルウエーに居住するイスラム教徒の数が、多いということにあるようだ。ノルウエーのオスロ市には、市の人口の25パーセントに当たる、イスラム教徒が居住しているということだ。

 もちろん、ノルウエーに居住するイスラム教徒たちが、パレスチナ支持の各種の活動を展開していることも、ノルウエー人がパレスチナに対して、理解の度が高い、理由のひとつであろう。

 ノルウエーにはアラブ人ばかりではなく、パキスタン人、ソマリア人、アフガニスタン人などが、多数居住しているということだ。

 このニュースを伝えたのは、イスラエルのマスコミであることを考えると、ノルウエーの例が、ヨーロッパ全体で拡大していくことを、イスラエルは懸念しているのかもしれない。昨今、ヨーロッパでは反ユダヤの雰囲気が、拡大していることと二重に重なり、思いがけない状況を生み出すかもしれない。