「イランは世界中で核科学者リクルート」

2010年12月23日


 ノルウエーのオスロのイラン大使館で、参事官を勤めていた、ムハンマド・レザ・ハイダリ氏が政治亡命し、イランの核関連の重要な情報を公開した。

ムハンマド・レザ・ハイダリ氏の証言によれば、イランは北朝鮮ばかりではなく、世界中から核関連の科学者を、リクルートしていたということだ。北朝鮮の科学者は、核兵器の開発だけではなく、大陸間弾道弾の飛距離を伸ばす開発にも、協力していたということだ。

彼は北朝鮮の科学者が、イランに入国するときの、補助をしていたと語り、イラン政府は外国からリクルートした人たちを、ビザのチェックも、パスポートのチェックもすることなく、入国させていたという話だ。

もちろん、イラン政府が公式に説明している「イランの核開発は、平和的なものだ。」という説明を、ムハンマド・レザ・ハイダリ氏は、全面的に否定している。

ムハンマド・レザ・ハイダリ氏は、昨年の大統領選挙をめぐる、一連の出来事を見、政治亡命することを決め、家族とともに隠遁生活をしていたが、ノルウエー政府が2010年の2月に、正式に政治亡命を、認めたということだ。

この情報は、イスラエルのハアレツ紙が、報じたものだが、その情報源は、ムハンマド・レザ・ハイダリ氏のイギリスの新聞との、インタビューであかしたものだ。従って、何処まで信頼性があるかは分からないが、外交官が政治亡命し、機密を明かすということは、しかるべき理由があってのことであり、この情報のなかでは、大統領選挙を機に、イランの現体制に対する、反発が生まれた、ということのようだ。

この情報の真偽のほどは別として、イスラエルやアメリカにとっては、ムハンマド・レザ・ハイダリ氏の証言は、極めて好都合な情報であり、この結果、イランに対する一層の締め付けを、世界に働きかけることが、出来るということであろう。