「エルビルで開催される女性の役割国際会議」

2010年12月23日

 インドとエジプト、レバノンの出張から帰ると、国内外からの沢山のメールが待ち受けていた。これらのメールに目を通し、必要によっては返事を書くのが、結構大変な作業だ。

だがそのなかに、うれしいメールが一本含まれていた。それは旧知のバフテヤール・アミーン氏の秘書ダニー氏からのものだった。バフテヤール・アミーン氏はクルド人で、アラブ・スンニー派の国会議員の女性と、結婚している。彼自身も社会問題担当相を勤めたことのある、元議員だったが、最近ではもっぱら、イラク社会の変革のための、国際会議を開催している、いわばNGO活動をしている人物だ。

 ダニー氏のメールを開いてみると、2010年の11月ごろに開催予定だった、遅れに遅れていた国際会議を、来年1月の27,28日に開催する、という内容だった。

その会議とは、イラクで女性が社会貢献をしていく重要性を、討議するというものだった。

スケジュール表を見てみる、第一日目は国際的な専門家による、女性の社会貢献の講演があり、平和な社会構築に、女性がどう貢献するか、といったテーマが話されるようだ。そして、戦闘時と平和時における、男女の壁についても、講演が予定されている。

第二日目には、平和の構築の上で、女性の政治進出、民間部門での活躍などが、討議される予定だ。

この国際会議開催が遅れた理由は、他ならぬ、イラク国内政治の混乱によるものだ。新内閣がなかなか誕生しないために、会議開催が危険を伴う可能性があり、且つ又、政局の及ぼす悪影響を、避けるためであったと思われる。

今回、イラクのクルド地区エルビルで、この国際会議が開催されることが、正式に決定したということは、マリキー首相を首班とする新内閣が、スンニー派シーア派トルコマン、クルドなど、イラクを構成している各派各民族間で、おおよその合意を、見たためであろう。

イラクの安定は、世界のエネルギー事情の、安定に直結している。そして、イラク国内が安定するということは、膨大な予算を伴う、戦後復興事業が、本格的に始まることも、意味しており、世界経済不況に、何らかのカンフル剤に、なる可能性があろう。

いずれにしろ、イラクのバニー氏からのメールは、朗報であり、うれしい知らせだった。もちろん早速会議参加の意向を告げた。