「中東旅行者への警告と朗報」

2010年12月21日

 「エジプト」

 エジプトは中東の中でも、最も人気の観光旅行先国だ。日本からの観光客の数も、毎年相当数に上っている。

 先月(11)には、紅海のシャルム・エルシェイク近くの海で、サメに襲われ、ドイツ人女性が死亡し、それ以外にも数名が怪我をしたというニュースが、伝わってきて、世界中で話題になった。

 このサメ事件、他の例にもれず、最初のうちはイスラエルがサメを飼いならし、エジプトの観光にダメージを与えようとしたものだという、でたらめな情報が流れた。

実際のところは、オーストラリアから羊をサウジアラビアなどに運ぶ、貨物船が死んだ羊を紅海に捨てたために、肉を食いなれたサメが、人を襲うようになったのであろうということだ。

ところが、それ以上に危険な、しかも日本に関係のある、情報が流れている。イスラエルがエジプトの主要産業である、観光産業にダメージを与えることを目的とし、中国人、日本人を対象とする、テロ組織をエジプト国内に構築しようとしていた、という情報がそれだ。

最近、アブドルラッザークなる人物が、イスラエルのモサドにスカウトされて、この準備をしていた、とエジプトの検事局が発表した。それによれば、中国でのビジネスを考えていたアブドルラッザークが、モサドにスカウトされ、タイで指示を受けた後帰国して、カムフラージュのための輸出入の会社を興し、この任務に就いていたということだ。

この情報を見て推測できることは二つだ。

1:イスラエルがエジプトの発表したように、実際に中国人と日本人観光客を対象とする、テロ組織を結成しようとしていた。

2:エジプト国内の治安状況が悪化しており、今後エジプト人による犯行が、起こる可能性が高まってきた。

 *いずれにしろ、昨今のエジプト国内は、危険が高まっている、ということであろう。

 

「トルコ」

 トルコは中東にあって、日本人観光客にはいまだに、十分に知られていない観光国だ。この国には、古くはヒッタイト、ギリシャ、ローマ、そしてイスラムの遺跡が、国内いたるところに存在する。

 この国への観光は、こうした各時代の、遺跡巡りに加え、豊富な農産物(ナッツ、乾燥果物など)、トルコ料理(中華料理フランス料理と並ぶ、トルコ料理は世界三大料理の一つ)であろう。

 加えて、衣類の製造レベルは相当高度になり、欧州のデザインがたちまちにして、トルコには流れ込んでくる。縫製もしっかりしており、価格は安いのだ。

 最近トルコ・リラ(トルコの通貨)安が報じられた。これまで1ドルが1,5リラ前後だったが最近最安値の1554リラを付けた。日本円のドルに対するレートが高くなっていることから1トルコ・リラは約55円程度であろうか。

数年前は1トルコ・リラがほぼ90円だったことを考えると、トルコ・リラは40パーセント程度、円に対して下がっている、ということになる。食事、買い物など、トルコ・リラの下落は日本人観光客にとって、またとないチャンスではないか。