イスラエルの戦略相モシェ・ヤアロン氏は、「イランの核兵器開発は、現時点では不可能であり、これから3年の歳月を、必要とする。」と語った。
イランの核兵器開発(もしそうであれば。イランはあくまでも、平和利用の核開発だ、と主張している。)は、コンピューター・ウイルスが濃縮設備に侵入したために、正常に機能しなくなり、開発が大幅に遅れているのだ、という説明をしている。
イラン政府はこのことについて、9月の段階では、コンピューター・ウイルスが侵入したことは認めたものの、プログラムが受けたとされる、ダメージについては、受けていない、と否定していた。
このコンピューター・ウイルスは、スタックス・ネット・コンピューター・ワームと名づけられているが、極めて複雑なものであり、ウイルスの除去には、の相当の時間がかかるということだ。
コンピューターの専門家たちの間では、このウイルスは国家レベルの組織によって、開発されたプログラムであり、サイバー・テロリストなど民間の組織によって、開発されたものではない、という判断が下されているということだ。
そこで問題は、何故これまでイランの核兵器の危険を、叫び続けてきたイスラエルが、ここに来て、3年先と言い出したのか、ということだ。考えられることは、以下のような理由であろうか。
1:コンピューター・ウイルスの開発に成功し、イランの核開発を大幅に遅延させたことに対する賞賛。
2:何度でも新種のコンピューター・ウイルスを開発し、攻撃が出来るという警告、核兵器の開発を遅らせることが出来る、というイランに対する警告。
3:当面は、イスラエル軍による、イランに対する軍事攻撃は、無いということを世界に知らせる。
4:現時点では不可能だが、イランは3年以内に、確実に核兵器を開発する、ということを強く印象付ける。結果的に軍事攻撃は必要だ、ということを世界に知らしめる。
このいずれが正解か、あるいはこれら以外に、正解があるのかについては、分からない。