「K・ミシャアルは西岸での武力闘争を宣言」

2010年11月28日

 シリアのダマスカスに亡命している、ハマースの幹部ハーリド・ミシャアル氏が土曜日に、ハマースは今後、ヨルダン川西岸地区で武力闘争を、展開することを宣言した。これが事実であれば、パレスチナ・イスラエル問題は、新たな展開を、見せることになろう。

ハーリド・ミシャアル氏に言わせれば、和平交渉はパレスチナに、何ももたらさない、ということだ。しかし、ハマースがもし、ヨルダン川西岸地区で、イスラエルに対する武力闘争を、展開するようなことになれば、パレスチナ自治政府はそれを、阻止しなければなるまい。

去る8月に、ハマースのメンバーがヨルダン川西岸地区で、イスラエル人(ユダヤ人)を殺害したとき、パレスチナ自治政府は、ハマースのメンバーを逮捕しているからだ。

パレスチナ自治政府はアメリカの協力を得て、8千人の兵士にテロ対策の、特別訓練を施しているが、ハーリド・ミシャアル氏はそのことを、意に介していない。彼は武力闘争だけが、パレスチナ問題の存在を、維持できるのだ、と語っている。

パレスチナ自治政府の堕落振り、腐敗振りは、何度と無くこの欄で、書いてきたが、ハーリド・ミシャアル氏は「われわれの資本はパレスチナの土地と、アイデンテテイと尊厳だけだ。」と語り、パレスチナ自治政府の幹部は、パレスチナ問題をビジネスと考え、利益を追求するのみだ、と非難している。

加えて、ハーリド・ミシャアル氏は武力闘争開始の理由を「イスラエルとパレスチナとでは、あまりにも力の差が大きいために、対等な交渉は出来ない、交渉は屈辱を生むのみだ。」とも語っている。

確かに、ハーリド・ミシャアル氏の語る通りであろう。しかし、ハマースがヨルダン川西岸地区で、イスラエルに対する武力闘争を始めれば、イスラエルを攻撃する前に、パレスチナ政府との戦闘になろう。結果は、イスラエルではなく、パレスチナ人同士の殺し合いとなろう。