世界中の関心を呼んでいる、ウィキリークスによる、アメリカの機密情報漏洩は、アメリカ単独だけではなく、アメリカと他の国々との関係を、悪化させる懸念が、拡大してきている。
今回、ウィキリークスが流した情報は、アメリカとトルコとの関係を、悪化させる懸念がある。それは漏洩された情報の内容が、あまりにもショッキングなものだったからだ。
この情報では、トルコがイラクのアルカーイダを、支援しているということだ。トルコがイラクのアルカーイダに対し、爆弾製造や銃器や武器の供与を、行っているというのだ。イラクのアルカーイダ対応で、アメリカが手こずっていることは、誰もが知るところだ。
他方、アメリカはトルコが、対応に苦慮しているPKKに対し、アメリカ軍内部では自由の戦士(フリーダム・ファイター)と呼んでいる、ということだ。また、アメリカ軍は逮捕したPKKメンバーを釈放し、武器を供与してもいるということのようだ。
もちろん、アメリカもトルコも、この情報を即座に否定している。トルコ政府のスポークスマンは、この情報に反発し、テロと戦っていることを明言した。もちろん、アメリカも同様に、テロとの戦いを強調し、情報を否定している。
しかし、トルコとアメリカの公式発表だけでは、この情報の影響を消しさることは、出来ないのではないか。トルコとイスラエルとの関係が悪化し、しかも、トルコとイランとの関係が良好なことから、アメリカはトルコに対し、不満を抱いているからだ。
他方、トルコ国民の間には、アメリカとイスラエルが、PKKを支援しているという推測が、広く信じられている。それは、エルゲネコン(トルコの影の政府と呼ばれる秘密組織)と、イスラエルやアメリカとの関係が、あったと信じている、トルコ国民が多いからだ。
トルコではアメリカ、イスラエルに加え、このエルゲネコンやトルコ軍の一部が、PKKを支援しているという考え方が、広がっていた。
今回はトルコの情報が流されたわけだが、ウィキリークスは、次回はオーストラリア、カナダ、イギリス、デンマーク、ノルウエーなどの情報を、流すと予告している
アメリカは既に、これらの国々とコンタクトを取り、ダメージを最小限にする、努力を始めている。しかし、やはりそれでも各国に、アメリカに対する不満と不信感が広がろう。