イランがここに来て、6カ国との核交渉を再開する意向を、明らかにした。つまり、イランが交渉に入る相手国は、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、イギリス、中国の6カ国だ。
イランはこの6カ国との会議開催場所を、トルコにしたいと述べている。トルコはいままで、イランの核問題解決を、外交努力で実現しようと、あらゆる努力を行ってきたが、そのトルコの努力を、イランは高く評価したのであろう。
イランは2009年の交渉で失敗以来、6カ国との核交渉を中断してきていた。新たな交渉が、そろそろ開催されなければならない時期に来て、イランが会議開催を、打ち出したことになる。
このイランの会議開催意向を発表したのは、モッタキ外相だが彼は、会議開催場所を、トルコに指定したということだ。イランの核問題担当である、サイードジャリーリ氏も会議開催への準備が、整っていると語っている。多分、この調子で行くと、会議は11月末に、開催されることになろう。
そこで問題は、低濃縮ウランと高濃縮ウランの交換を、アメリカはイランに要求しているが、なかでも公表されている2000キロ以外の、1200キロについて、イランが交換を受け入れるか否かだ。
イランはこのウランの交換については、ブラジルとトルコとの間に交わした合意に沿って、解決したいという意向だ。アメリカはイランが容易には、全量を交換しないだろうと見て、いまだに軍事攻撃の可能性を、取り下げていない。
イランが要請し、EUがトルコでの会議開催を、受け入れるであろうから、アメリカも会議のトルコ開催を、受け入れることになろう。そこで、トルコがどのように会議を進行をし、部分的にでも解決に向けた合意を、引き出せるか見物だ。
もし、トルコの外交努力が、イランの核問題解決を前進させることが出来れば、トルコはEUから大きな拍手を、受けることになろう。EUはアメリカとイスラエルの力によるイラン対応に、既にうんざりしているからだ。
イランに対する、EUとアメリカによる新たな経済制裁は、時間の経過とともに、効果を発揮してくる気配である以上、イランは何らかの妥協を、今度トルコで開催される会議に向けて、用意している可能性がある。
EUにして見れば、イランに対する経済制裁の下で、中国がイラン市場を独占的に取り込んでいることは、見過ごせないことであろう。イランは市場として、決して小さくは無いのだから。